日進月餅

暇に任せて、一日中画面に向かって、思い浮かぶ瑣末なことをつらつらと書き連ねていると、妙にばかばかしくなってくるものだ。

都市対抗野球観戦日誌 FINAL~守安が好きすぎて…夏

都市対抗野球も9日目と、最後の日曜を迎えました。

家で観戦するプランもありましたが、守安投手擁する三菱重工神戸・高砂の試合があるため現地観戦を決意しました。
ただ、第1試合の解説が棚橋解説員の愛称でおなじみの棚橋祐司さんということもあり、第1試合は中継を見ることに…
棚橋解説員を知ったのは去年のことですが、「居酒屋解説」とも評されそうなフリーダムな発言に度肝を抜かれたのを覚えています。
実況アナが「(東京ガスの)マスコットガールは空手を嗜んでいる」というエピソードを披露した後に東京ガスの笹川選手が凡退すると「笹川選手はマスコットに回し蹴りしてもらった方がいいですね」と言ってしまったり、都市対抗野球ダイジェストに出演した際にはアドリブで「侍ジャパンに物申す!」と発言して檄を飛ばしたりととにかくフリーダムです。
ここまで書くとただの面白おじさんですが、実際は2004年に王子(春日井市)が優勝した時の監督だったり、侍ジャパンでも社会人代表のコーチを務めたりとすごい「スーパー平社員」(自称)なのです。

第2試合 東京都・JR東日本3-6大阪府NTT西日本

試合はいきなり動き、NTT西日本JR東日本先発、プロ注目の太田投手からホームランも含めて一挙5点を先制します。
対するNTT西日本先発の濱﨑投手が好投。7回2アウトで降板するまでJR東日本打線を無失点に封じます。
JR東日本は8回裏にNTT西日本の救援陣を攻め立て、3点を返しますが、反撃もここまで。
エースの立ち上がりに泣いた恰好となりました。
JR東日本側の動員の凄さはいつものことですが、その大声援に負けじとNTT西日本も統率の取れた応援でJR東日本に一歩も退かない姿勢を見せていました。

第3試合 日立市日立製作所1-0神戸市・高砂市三菱重工神戸・高砂

個人的に一番楽しみにしていたカードがこちら。
去年の日本選手権以来の三菱重工神戸・高砂の試合ということでボルテージは最高潮に達していました。
金曜日の試合では不動のエース守安投手が5回3失点と苦しみながらも後を継ぐ栗山投手(ミキハウスから補強)と尾松投手がしっかり試合を作り、打線は那賀選手の2本のホームラン(うち1本は満塁弾!)もあり9点を挙げて逆転勝ちとなり、守安が崩れてもそれを取り返せるという、チーム全体の底力を感じさせてくれました。
三菱重工神戸・高砂といえば大エース守安玲緒の文字通り獅子奮迅の活躍が印象的で、「守安重工守安・守安」なんて呼ばれることもあります。
守安頼みのワンマンチームのような見方をされることは選手もあまり良くは思っていない*1ようで、なんとか奮起したいという気持ちがあったのだと思われます。
(守安自身もあまりいい印象は持っていなかった、というソースを見た記憶があるのですが、見つかりませんでした…)
※7/27追記
ソースありました。
www.kobe-np.co.jp
嬉しい反面、複雑とも語っておりました。自分だけのチームではないんだよ、という気持ちがあるのだと思います。

さて、前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、この試合の先発は守安ではなく尾松。無難な立ち上がりでしたが、2回に日立の大塚選手にレフトスタンド最上段に突き刺さる特大のソロHRを浴び先制を許します。
それでも後続を断ち、代わった投手もその流れを受け、失点はそのHRによる1点のみでした。
こうなると打線の反撃を待ちたいところですが、得点圏までランナーは進めるものの、あと一本が出ず、特に終盤は再三チャンスを作りながら最後の最後で抑えられ、点を奪えないまま惜敗しました。
三菱グループの社員でも何でもないですが、応援席から懸命に声を嗄らして応援しました。しかしその思いは届きませんでした。
非常に悔しい敗戦でした。ただ、この試合は守安の登板はなかったものの、相手打線を1失点に抑えるという投手力の向上、「守安頼み」からの脱却というチームの課題の克服を感じられる一面もありました。
秋の日本選手権、来年の都市対抗ではまた成長した姿を見せてくれると信じています。

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グラウンドで練習する守安投手(その1)
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グラウンドで練習する守安投手(その2)

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オーロラビジョンに表示される三菱賛歌の歌詞。「三菱!三菱!」なのがポイント

さて、試合終了、応援していたチームは敗戦、日曜の夜と憂鬱になる要素がこれでもかというほど揃ってしまいました。
カタルシスの解放はいかばかりか…と思っていたところ、自分の中の悪魔がこうささやきました。


「出待ちすれば守安ワンチャンあるで」

この暗雲を吹き飛ばすにはそうするしかないと、ドーム外の階段下にある出待ちゾーンへ向かわざるを得ませんでした。
「そもそも、人が殺到して握手すらできないのでは?」「ユニフォームを着ていなかったら気づかないのでは?」などと心配しながら出待ちの人たちに混ざりました。
待つことしばし、目の前をトレーニングウエア姿の男性が通過。その後、三菱のユニフォームを着た子供が「守安!」と叫びながらさっきの男性の元へ向かいました。

いた!守安だ!

そのトレーニングウエア姿の男性こそが、守安投手本人でした。
幸いにも人でごった返すこともなく、挨拶することができました。
写真撮影にも快く応じていただき、本当に感激しました。
延長17イニングを投げきる、相手打線に立ち塞がる鬼神のような姿からは想像ができないような、温和な雰囲気でした。
日本選手権、来年の都市対抗でも頑張ってくださいと伝えました。

最後の最後でこんな幸運が巡ってくるとは思いませんでした。
見に来て良かったです。このとき撮った写真は一生の宝物です。このことを思い出せばどんな辛いことも乗り越えていける気がしました。

こうして、今年のラスト観戦は思いがけない逆転ホームランで終えることとなりました。
次は秋の日本選手権!また大阪行きます!

それにしても、三菱重工神戸・高砂のユニフォームを着て観戦している方がちょこちょこいたのですが、あれはどうやって手に入れたのでしょうか…
社員だと入手ルートがあるのでしょうか?
三菱重工に転職するしかないな…(バカ)

【本日の結論】
・守安投手は写真で見るより実物の方が格好いい
・声がめちゃめちゃ澄んでて若々しい。とても自分より年上とは思えない
・デジカメとペンを持ってこなかったのは一生の不覚
・守安は神(←人間です)

*1:ソースはこちら